はじめに
パリで子どもの学校を探すときは、授業料だけでなく、授業言語、入学条件、初年度にかかる費用、通学先の場所まで比べることが大切です。
パリ近郊には、英語を主な授業言語とする学校のほか、フランス語と英語のバイリンガル校、フランスの教育課程を基礎とする学校など、複数の選択肢があります。同じ「インターナショナルスクール」でも、授業内容や費用は大きく異なります。
この記事では、International School of Paris(ISP)、American School of Paris(ASP)、École Jeannine Manuel(EJM)、ICS Paris、The British School of Paris(BSP)の5校を、学校公式サイトで確認できる2026/27年度の情報を中心に比較します。
学費は年度ごとに改定される場合があります。出願前には、必ず各校の公式料金表と入学窓口で最新情報を確認してください。
パリのインターナショナルスクールを選ぶときの比較ポイント
学校を選ぶ際は、まず次の点を家族で整理しておくと、候補を絞りやすくなります。
- 授業言語: 英語中心か、仏英バイリンガルか
- 教育課程: IB、アメリカ式、英国式、フランスの国民教育課程など
- 入学条件: 学年ごとの英語力、空席、成績表や評価テストの有無
- 総費用: 授業料、申請料、登録料、一時金、給食、送迎、支援費用
- 通学: 校舎の場所、通学時間、スクールバス、きょうだいのキャンパス
- 将来の進路: フランス国内、日本、その他の国のどこへ進学する可能性があるか
現地校や日本人学校も含めて選択肢を整理したい場合は、フランスの学校制度完全ガイドも参考になります。
パリ近郊のインターナショナルスクール5校比較【2026/27学費】
以下の授業料は、各校が公開している2026/27年度の料金です。年齢・学年・教育課程が異なるため、金額を同条件の学校間比較とみなさないようにしてください。
| 学校 | 年間授業料(2026/27) | 初年度・別途費用の主な例 | 授業言語・教育の特徴 | 入学条件の要点 |
|---|---|---|---|---|
| International School of Paris(ISP) | €25,500〜€39,000 | 申請料€1,200。Grade 1〜12の新入生は入学金€10,000。登録時の€3,000は授業料に充当されるデポジット | IBのPYP・MYP・DPを提供。英語比率は公式ページで数値公表なし。仏語は必修で、小学校は週約4時間、中学校は週3〜6時間 | Grade 6〜8では英語初学者をEAL支援付きで受け入れる場合がある。Grade 10以降はより高い英語力が必要 |
| American School of Paris(ASP) | €25,000〜€41,400 | 申請料€1,450。年次保安費€2,000。Grade 1以上の新入生は一時金€12,200。EAL対象者は別途€5,490 | 英語が主な授業言語。アメリカ式カリキュラムで、American High School Diplomaのほか、AP科目やIB Diplomaの選択肢がある | 非英語母語話者は英語評価を受け、Grade 1〜8でEAL支援の対象となる場合がある |
| École Jeannine Manuel(EJM) | €10,260〜€32,560 | 新入生の初回登録料€1,650。2027/28年度の申請料は€350。昼食等は別途 | 仏英バイリンガル教育。フランスの国民教育課程を基礎とし、最終課程はBFIまたはIBを選択。公式ページで一律の英語授業割合は公表されていない | バイリンガル課程との適合性などを含めて審査。2027/28年度はフランス在住家庭の申請期限が2027年1月13日18時 |
| ICS Paris | €20,994〜€32,976 | 申請料€750。新入生はSchool Development Fund €3,750。Grade 1以上は登録料€3,000 | 英語が主な学習言語。IBを中心に、仏語授業は全学年週4時間 | Nursery〜Grade 8は英語要件なし。Grade 9〜10はB1、Grade 11〜12はB2が目安 |
| The British School of Paris(BSP) | €21,305〜€35,087 | 申請料なし。教材や課外活動の一部は授業料に含まれる。行事・支援サービスなどが別途となる場合あり | 英国式カリキュラム。語学科目を除く授業は英語。GCSE・A Levelを提供 | 完璧な英語力は入学条件ではなく、EAL支援を提供。年度途中の入学も空席状況により可能 |
料金の見方: 授業料以外の費用は学校ごとに異なります。たとえばISPの登録時デポジット€3,000は授業料への前払いで、入学金€10,000とは別の性質です。ASPの保安費€2,000は毎年かかり、Grade 1以上の新入生には一時金€12,200が発生します。ICS ParisのSchool Development Fundは新入生に請求され、2年目以降の金額は公式料金ページで確認してください。
EJMはフランスのコースとIBコースで授業料の差が大きく、料金表も課程別に分かれています。上表の金額は全学年一律の価格ではありません。また、EJMの申請料€350は2027/28年度の募集情報、授業料は2026/27年度の料金表に基づく金額です。
International School of Paris(ISP)
ISPはパリ16区に複数のキャンパスがあり、NurseryからGrade 12までIB課程を提供しています。学費には教材、IB試験料、カリキュラムに含まれる校外学習などが含まれます。
2026/27年度の授業料は、Nursery〜Pre-Kindergartenが€25,500、Kindergartenが€31,100、Grade 1〜5が€31,400、Grade 6〜9が€36,500、Grade 10〜12が€39,000です。申請料は€1,200で、Grade 1〜12の新入生には€10,000の入学金がかかります。登録時に支払う€3,000はデポジットとして扱われます。
英語力の条件は学年によって異なります。公式案内では、Grade 6〜8で英語初学者を受け入れる場合があり、EAL(English as an Additional Language)支援を提供しています。Grade 10は中級以上の英語力が目安で、Grade 11〜12ではIB課程に対応できる英語力が必要です。出願時には希望学年の要件を直接確認してください。
American School of Paris(ASP)
ASPはパリ西郊のSaint-Cloudにある、3〜18歳を対象とする学校です。英語を主な授業言語とし、アメリカ式カリキュラムに加えて、AP科目やIB Diplomaなどの進路選択肢があります。
2026/27年度の授業料は、K3〜K5が€25,000、Grade 1〜5が€34,600、Grade 6〜8が€39,965、Grade 9〜12が€41,400です。申請料€1,450に加え、年次保安費€2,000がかかります。Grade 1以上の新入生には一時金€12,200があり、EALや学習支援の対象となる場合は別料金が発生します。
ASPは次年度の出願を通常前年10月に開始し、現在の年度への出願は空席状況によります。非英語母語の生徒は英語評価を受けることがあり、Grade 1〜8ではEALプログラムの対象となる場合があります。
École Jeannine Manuel(EJM)
EJMはパリ15区にある仏英バイリンガル校です。フランスの国民教育課程を基礎に、英語・科学・中国語など独自のプログラムを組み合わせています。高校卒業時の課程としてBFIまたはIBを選択できます。
2026/27年度の公式料金表では、初等部の授業料は€10,260、BFI高校課程は€10,275、IB課程はFoundation Yearが€24,865、IBのDP1・DP2が€32,560です。新入生の初回登録料€1,650は別途です。授業料はコースで差が大きいため、希望学年・課程の料金表を個別に確認してください。
EJMは2027/28年度の出願を2026年9月22日に開始しています。フランス在住家庭の申請期限は2027年1月13日18時です。国外在住家庭に同じ締切は設定されていませんが、学校は早めの出願を勧めています。出願時には学校公式の手続きと学年別書類を確認してください。
ICS Paris
ICS Parisはパリ15区のIB系インターナショナルスクールです。英語が主な学習言語で、公式案内によると仏語授業は全学年で週4時間です。英語・学習面で追加サポートが必要な生徒向けの支援プログラムも案内されています。
2026/27年度の授業料は、Nursery〜Kindergartenが€20,994、Grade 1〜5が€24,759、Grade 6〜8が€28,959、Grade 9が€32,475、Grade 10が€32,976、Grade 11〜12が€32,475です。新入生は申請料€750とSchool Development Fund €3,750が必要で、Grade 1以上には登録料€3,000もかかります。
Nursery〜Grade 8には英語力の要件がありません。Grade 9〜10はB1、Grade 11〜12はB2の英語力が必要です。中等部の出願では、英語・仏語・数学のプレイスメントテストが行われる場合があります。
The British School of Paris(BSP)
BSPはパリ西郊外のCroissy-sur-Seineにある英国式学校で、3〜18歳を対象としています。公式FAQによると、語学科目を除く授業は英語で行われます。英語が母語でない子どもに対してはEAL支援を提供しており、入学時に完璧な英語力は求めていません。
2026/27年度の授業料は、Nurseryが€21,305、Receptionが€27,027、Year 1〜2が€28,091、Year 3〜6が€29,540、Year 7〜9が€32,569、Year 12〜13が€35,087です。申請料はありません。教材や課外活動の一部は授業料に含まれますが、宿泊を伴う行事や一部の支援サービスは別料金になることがあります。
年度途中の入学も、空席があれば可能です。日本の学年と英国式Yearは単純に一致しない場合があるため、年齢やこれまでの成績表を用意して学校に学年配置を確認しましょう。
授業は英語で何割?学校別の授業言語
学校によって授業言語の説明方法は違います。公式に割合が掲載されていない学校について、推測で「英語が何割」と書くことはできません。各校の公式説明を基に比べると、次のようになります。
| 学校 | 公式に確認できる授業言語の説明 |
|---|---|
| ISP | 授業の英語比率は数値で公表されていません。仏語は必修で、小学校は週約4時間、中学校は週3〜6時間です。英語の追加言語支援があります。 |
| ASP | 英語が主な授業言語です。フランス語も全生徒が学びます。 |
| EJM | 仏英バイリンガル教育が学校の柱です。全学年共通の英語授業割合は公表されていません。 |
| ICS Paris | 英語が主な学習言語です。仏語は全学年で週4時間です。 |
| BSP | 語学科目を除くすべての授業が英語です。英語学習が必要な生徒にはEAL支援があります。 |
「英語中心」と「仏英バイリンガル」は学習環境が異なります。授業時間の比率を重視する場合は、学校見学や入学相談で希望学年の時間割、英語支援、フランス語の授業時間を確認しましょう。
学費以外に初年度の費用も確認する
学校比較では、年額授業料だけでなく初年度に必要な費用を分けて確認します。主な項目は次の通りです。
- 申請料: 出願時に支払う費用。返金されない学校があります。
- 入学金・登録料: 入学時に一度支払う費用。学年によって対象が異なることがあります。
- デポジット: 入学枠確保や授業料の前払いとして扱われる費用。入学金とは区別します。
- 年次費用: 保安費やSchool Development Fundなど、毎年または在籍年数に応じて請求されるもの。
- 追加サービス: スクールバス、昼食、学習支援、EAL、課外活動、制服など。
- 課程別費用: IB試験料や追加試験料など。授業料に含まれるか学校ごとに確認します。
ASPのように年次の保安費がある学校、ISPのように学年により初年度の入学金が異なる学校、ICS Parisのように新入生向け基金と登録料がある学校があります。見積もりを依頼するときは、「初年度の合計」と「2年目以降の年間費用」を分けて質問すると、家計や会社補助との比較がしやすくなります。
会社の教育補助がある場合も、授業料以外の費目が支給対象か、上限額はいくらかを会社の規程で確認してください。税務上の扱いは居住地や支給方法などによって異なるため、個別の判断は会社の担当者または専門家に相談しましょう。
入学条件と出願前に準備すること
入学要件は学校だけでなく、学年や応募時期によっても異なります。「インターナショナルスクールなら英語ができなくても入れる」「フランス語は必要ない」と一括りにはできません。
たとえば、ICS ParisはGrade 8まで英語力の要件を設けていませんが、Grade 9〜10ではB1、Grade 11〜12ではB2を求めています。ISPも中学・高校の学年によって条件が変わります。BSPは完璧な英語を入学条件としていませんが、学校の評価や支援の対象は個別に確認が必要です。
出願に備えて、次のような書類を準備することがあります。
- 子どものパスポートまたは身分証明書
- 過去数年分の成績表・学校報告書
- 必要な学年の英語テスト結果や語学資格
- 教員所見・推薦状
- 健康記録・予防接種情報
- 学校指定のオンライン申請書類
これは一般的な確認項目であり、すべての学校で同じ書類が必要という意味ではありません。翻訳の要否や提出年数も学校・年齢により異なるため、応募先のAdmissionsページで最新のチェックリストを確認してください。
2027/28年度の募集日程について、EJMはフランス在住家庭の申請期限を2027年1月13日18時と案内しています。ASPは次年度の出願を通常前年10月に開始し、ICS Parisは2027/28年度の応募開始を2026年10月下旬〜11月上旬と案内しています。定員は学年によって異なるため、出願を考え始めた時点で学校へ空席とスケジュールを問い合わせるのが確実です。
日本人家庭が学校を選ぶチェックリスト
滞在期間と帰国後の進路
数年で帰国する予定か、フランスに長く住む予定かで、重視する教育課程や言語環境は変わります。帰国後に日本の学校へ進む可能性がある場合は、在籍中の学年配置や日本語の維持方法も考えておきましょう。
インターナショナルスクールに在籍するだけで、帰国後の入試や進学が有利になるとは限りません。志望校ごとに必要な資格・書類・日本語力を確認してください。フランス帰国子女の受験戦略も参考になります。
日本語を維持する方法
日本語の授業や母語支援の有無は、学校・学年によって異なります。学校に日本語授業があると思い込まず、希望学年で実際に受講できるかを問い合わせましょう。学校外の補習校を検討する場合は、開講日、通学時間、他の習い事との両立も確認します。
通学先とキャンパス
学校名が「Paris」でも、キャンパスがパリ市内とは限りません。ASPはSaint-Cloud、BSPはCroissy-sur-Seineにあり、ISPはパリ16区に複数キャンパスがあります。通学時間や送迎手段を、住まい探しと一緒に考えることが大切です。
学校へ質問しておきたいこと
- 希望学年に空席があるか
- 日本の在籍学年から何年級に配置されるか
- 英語・フランス語の評価や追加サポートがあるか
- 初年度の一時金と翌年度以降の合計費用はいくらか
- 給食、バス、課外活動、学習支援の追加料金はいくらか
- 年度途中の入学や転校に対応できるか
- きょうだいのキャンパスや送迎時間を調整できるか
- 学校外の日本語補習を続ける場合、時間割と両立できるか
よくある質問
パリのインターナショナルスクールの学費はいくらですか?
2026/27年度の公式料金では、今回比較した5校の年間授業料は学校・学年・課程により約€10,260〜€41,400です。申請料や入学時一時金、保安費、給食・送迎などが別途かかることがあるため、授業料だけでなく初年度の総額を確認してください。
英語ができなくても入学できますか?
学校と学年によります。ICS ParisはGrade 8まで英語力の要件がなく、BSPは完璧な英語力を求めていません。一方、高校相当の学年では英語力の基準がある学校もあります。入学や支援を保証するものではないため、希望学年の条件を各校に確認してください。
フランス語ができなくても大丈夫ですか?
学校によって異なります。英語中心の学校でもフランス語の授業を実施することがあります。EJMは仏英バイリンガル教育を行っています。出願時にフランス語が必要か、初心者向けの授業や支援があるかを分けて問い合わせましょう。
2027年9月入学の出願はいつ始まりますか?
学校によって異なります。EJMは2027/28年度の出願を開始しており、フランス在住家庭の締切は2027年1月13日18時です。ASPは次年度の出願を通常前年10月に開始し、ICS Parisは2026年10月下旬〜11月上旬の受付開始を案内しています。最新の受付状況は各校へ確認してください。
学費は会社の教育補助で全額払えますか?
会社によって補助の対象や上限額が異なるため、全額補助とは限りません。授業料以外に申請料・一時金・給食・送迎・支援費用が対象となるか、会社の規程を確認してください。
日本語の授業はありますか?
学校や学年によって異なります。日本語の授業がすべての学校・学年で提供されているとは限らないため、希望学年で受講できるか直接問い合わせてください。必要に応じて、学校外の補習校も合わせて検討しましょう。
まとめ:授業料・授業言語・通学を一緒に比べる
パリ近郊のインターナショナルスクールは、英語中心の学校、仏英バイリンガル校、IBや英国式・米国式カリキュラムなど、学校ごとに特徴が異なります。
2026/27年度の公式授業料は、学年・課程により大きく異なります。申請料や一時金、年次費用、送迎・給食・学習支援なども含めて、初年度と翌年度以降の予算を分けて確認しましょう。
候補校が決まったら、公式の学費表と出願条件を確認し、Admissions窓口へ希望学年・英語力・入学希望時期を伝えて問い合わせてください。学校の雰囲気や通学先も含めて比較することが、ご家庭に合う選択につながります。
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