【リオデジャネイロ旅行記 第2回】コパカバーナとイパネマで“生”を浴び、丘と奇岩で魂をリロードした話

「リア充は作れる、ここリオならね。」――そんな流行語が頭をよぎるほど、今日は陽と潮と音にフルボッコにされた。

ブラジル駐在生活、週末フル解放デー。目的地はリオが世界に誇る2大ビーチ、コパカバーナイパネマ。そこにコルコバードの丘シュガーローフ、肉沼シュラスコ、そして“治安ガチャ”とも呼ばれる強盗事件まで全部乗せ。甘いだけじゃないリオのリアルをでシェイクしたので、ライムをかじる気分でどうぞ。

目次

  1. 朝イチのコパカバーナ:ハワイアナスが砂に歌う
    • 1-1. フレスコボール沼
    • 1-2. ビキニは“自己肯定”の究極形
    • 1-3. 朝カイピリーニャは合法ドーピング
  2. 徒歩でイパネマへ:ガロッタと再会するための散歩道
    • 2-1. Posto 9 の多様性カーニバル
    • 2-2. ビーチランチはアサイー&ケージョコアルホ
  3. コルコバードの丘:街全体がパノラマで説教してくる
  4. 油断は禁物:強盗とスリの現実
    • 4-1. “リンチ文化”の裏側
  5. シュラスコ天国バルバッコア:肉と塩と幸福ホルモン
    • 5-1. ピッカーニャ無双
    • 5-2. アバカシでリセット
  6. シュガーローフでサンセットリロード
  7. まとめ:振れ幅が命を濃くする都市 リオ

目次

1. 朝イチのコパカバーナ:ハワイアナスが砂に歌う

午前8時、ビーチサンダルの代名詞 Havaianas をパチンと鳴らしながらアトランチカ通りへ。海風がホテルのロビーを抜け、カフェジーニョ(激甘エスプレッソ)の香りを押し流す。白砂のランウェイには、すでにジョギング勢、ビーチバレー勢、そして“ビキニで朝ヨガ”勢がスタンバイ。

ここで朝食付きヨガがデフォという事実、住民のリア充偏差値どんだけ高い。

1-1. フレスコボール沼

砂浜を歩けば、パコンッ…パコンッと木製ラケットが弾く甲高い音。ブラジル発祥のフレスコボールは「協力型テニス」。プレイヤーは互いにミスなくボールを返し合い、空中ラリーの距離と時間を競う。10メートル離れた男女が、笑顔でノールックパス。たまに背面打ち、股抜き、とんでもないアクロバティック技が飛び出す。

「Você quer tentar?(やってみる?)」とラケットを差し出され、遠慮なく参戦。結果?――3球目で珠が砂にめり込み、周囲から「Tá tranquilo, segue o jogo!(ドンマイ続けよう)」の笑顔シャワー。うん、羞恥心は海風が秒で攫っていった。

1-2. ビキニは“自己肯定”の究極形

視線を少し上げれば、絵に描いたようなビキニ天国。重要なのはスタイルよりアティチュード。10代からシニアまで、誰もが自分の身体を祝うかのように太陽を吸収している。SNS用ハイレグポーズを極めるグループもいれば、お腹の赤ちゃんと一緒にマタニティフォトを撮るママさんも。

“他人の目より自分のノリ”――これぞコパカバーナ流メンタルヘルス。

1-3. 朝カイピリーニャは合法ドーピング

砂丘パラソル下の屋台で、ライムを潰す音がリズムを刻む。氷、砂糖、ラムの原液カシャッサがステンレスシェーカーに注がれ、秒でカイピリーニャ完成。グラスを掲げ “Saúde!” と周囲に挨拶すれば、一斉に “Beleza!” の返し。アルコール度数40%強が血に溶け、体内BPMがサンバモードへスイッチ。


2. 徒歩でイパネマへ:ガロッタと再会するための散歩道

正午が近づくと砂の照り返しが爆上がり。Havaianasを手に持ち、波模様の黒白石畳をイパネマ方面へ。途中、アスファルトの上で即興ブロックパーティが始まり、ラップバトルとDJスクラッチが交差。観客はビキニ、スーツ、ゴスロリ、すべて混在。リオはファッションの壁をとことん壊す。

2-1. Posto 9 の多様性カーニバル

救助塔Posto 9前に到着。ここは“リオの縮図”。富裕層も学生もLGBTQ+も一箇所に溶け合う。遠くでボサノヴァバンドが『Garota de Ipanema』を歌い始め、ビーチ全体が静かに揺れる。その間を縫ってビキニの“ガロッタ”たちがジョギング。

あのメロディが誕生した理由、秒で理解。視界が歌詞を書いてくるレベル。

2-2. ビーチランチはアサイー&ケージョコアルホ

腹が鳴り、屋台で アサイーボウルを注文。濃厚ベリーにグラノーラ、ハチミツ、スライスバナナ。隣の焼き串屋からはチーズにニンニクを練り込んだケージョコアルホがジュージュー音。甘×塩×スモークの三重奏で胃袋が踊る。ここで2杯目のカイピリーニャ投入。昼間っから上機嫌は罪じゃない。


3. コルコバードの丘:街全体がパノラマで説教してくる

午後3時、陽が傾く前に景色ハント。メトロとバスを乗り継ぎコスモ・ヴェーリョ駅へ。赤い登山電車が熱帯雨林を裂き、**キリスト像(Cristo Redentor)**の足元まで運んでくれる。

車窓は緑のカーテン、その隙間から一瞬だけ湾が覗き、車内がどよめく。そして標高710 mの展望台。巨大な両腕の下、リオの湾曲した海岸線、モザイク状の屋根、翠の丘が360度。

キリスト像「オレの街、ヤバいだろ?」 私「異議なし。」

雲が流れ込めば像の足元は一瞬で霧、光が差し込めば黄金の後光。信心がなくても合掌不可避。

ここは予約をお勧めする。https://gyg.me/mdXMlZGk


4. 油断は禁物:強盗とスリの現実

下山後、ラルゴ・ド・マシャード広場近くで屋台パステウを頬張っていたら、背後で「Corre!(走れ!)」の絶叫。振り向くとスマホを奪った少年2人が全力ダッシュ。ただし次の展開が速い。近くの売り子とバールの兄貴が即追走、30秒で取り押さえ。怒号が飛び交い、地面に伏せさせられる。

4-1. “リンチ文化”の裏側

リオでは警察の到着が遅い・信用薄いとの理由で、窃盗犯が市民に捕まると“私刑”が下るケースが多い。観光客だけでなく現地住人も被害者で、コミュニティの怒りが即行動に転化する。今回は早めにパトカーが来て事なきを得たが、実際SNSにはリンチ動画が山ほど流れている。

「治安悪い=怖い」で思考停止せず、住民も同じ被害者であることを心に刻むべし。


5. シュラスコ天国バルバッコア:肉と塩と幸福ホルモン

心拍を落ち着けるため向かったのはイパネマのシュラスコ名店 Barbacoa。席に着くとシュラスケイロが巨大串を抱えて登場。

5-1. ピッカーニャ無双

最初は ピッカーニャ。外はカリッと焼き、切断面はピンク。塩だけで味付けされた赤身が歯を押し返す弾力を保ちつつ、先に溶けた脂が旨味ブースター役を買う。口内スピーカーから「うまっ」を連呼。このあとガーリックステーキ、リングイッサ、チキンハーツと続き、カイピリーニャ3杯目で肉の祭壇が完成。

5-2. アバカシでリセット

締めはアバカシ(焼きパイナップル)。シナモン風味の果汁が口内の脂を洗い、脳が「もう一周できる」と錯覚する危険なデザート。


6. シュガーローフでサンセットリロード

満腹のままウルカへ移動。ガラス張りケーブルカーが湾を跨ぎ、**シュガーローフ(Pão de Açúcar)**頂上へ。眼下にはリオ湾のターコイズ、背後にキリスト像、遠くに大西洋。夕陽が海と雲をオレンジピンクに染めると、テラスの群衆が一斉に拍手と口笛。

一期一会の色。写真じゃ半分も伝わらない。実物を浴びる、それが答え。


7. まとめ:振れ幅が命を濃くする都市、リオ

コパカバーナのフレスコボールで汗をかき、イパネマでボサノヴァにとろけ、丘で俯瞰し、路上で強盗劇に遭遇し、肉で昇天、奇岩でサンセット。感情の上下動がフルレンジ。これこそリオが“生きてる実感製造機”と呼ばれる理由だ。

リア充? リオでは動詞。ビーチで遊ぶ、盗難避けて走る、肉にかぶりつく、夕陽に見惚れる――その一瞬一瞬が「リア充する」行為になる。

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この記事を書いた人

実務戦略家 / バナナ戦略担当

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